人の顔色を気にしすぎる理由
物の見方や考え方、人との付き合い方などを決定するものは何でしょうか。
それは育つ過程で身についたパターンに因るところが大きいですね。 幼い子供は親を通して社会との関わり方を学びます。
その際子供の人間形成にとって重要な役割を果たすのが、親の社会や人に対する姿勢です。
毎日親の様子を見ながら、子供の中で社会とはこういうもの、人とはこういうものというイメージが構築されていきます。
そして次第に身につく考え方や物の見方の基本になるものが、価値観や固定観念です。
一度確立した価値観や固定観念は、絶えず私たちの意識を支配し多くの行動が意識的に、あるいは無意識にそれに基づいて決定されます。
子供にとって親の存在は絶対です。子供は生まれながらに備わっている生存本能により、親の望むことに自分を合わせようとするようになります。
その中には親の社会や人との関わり方、価値観や固定観念を踏襲するということも含まれています。
自分の価値感とはどのようなもの
素直な子供ほど、親の希望を読み取ろうとします。
しかし親のメッセージは必ずしも常にクリアーではありません。
毒親というほどではなくても、中には子供のニーズに無頓着な親や、反対に過干渉の親、あるいは未熟で自分本位の親もいることでしょう。
すると表情や目の動き、声のトーンなど、子供はとても敏感にそして本能的に親の気持ちを読み取る術を身に着けていきます。つまり親の顔色を気にしながら成長するわけです。
これは子供の防衛本能から出るもので、とても自然なことです。
親にとってこのような子は素直で育てやすい子供かもしれません。しかしそのような子が大人になった時、自分が本当に望んでいることや、価値を見出すものは何であるか、分からない場合があるのです。
これは長年親の顔色が物事を決める際の判断基準になっていたため、自分自身の意思や価値感を構築する機会がなかったからです。
そのような人は社会に出た後も状況に応じて他の人に合わせたり、周りの人の顔色を見ながら決定を下したりするのです。すると往々にして自信がなかったり、自己肯定感を持てなかったりします。
自分を知ると価値観がクリアーになる
もう人の顔色を気にすることなく暮らしたいと思っている人は、まず自分が何を望んでいるか、自分の意見は何かを明確にすることから始めましょう。
自動的に相手が何を思っているか読み取ろうとしていた癖は、止めようと思い気をつけることによって徐々に減っていきます。
そして自分の嗜好や意見を望ましい形で相手に伝えることを、少しずつ始めましょう。
口に出すことで、自分が望んでいることや考えていることが、自分自身の中でも明確になります。
これが自分を知るということです。
このようにお話しすると、自分勝手になるのではと懸念する方もあります。
しかし自分の意思を認識したうえで他を思いやることはできますね。
このプロセスを繰り返すことにより価値観がはっきりして、自信や自己肯定感の向上に繋がります。
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