子育て:褒めるより共感
更新日:2021年2月26日
昭和の子育てに見られたような悪い所ばかりを指摘すると、子供に自己肯定感が育たないという意見を耳にします。
確かにカウンセリングに来る人の多くが「親から褒められたことがありません」と悲しそうに話されます。
昨今では悪いことを指摘するばかりは良くないので、ほめて育てようという動きがありますね。
しかしうわべだけの褒め言葉、例えば「ゆう君すごいね!」なども、心がこもっていない場合は子供の自己肯定感が向上するとはかぎりません。
子供は偏った褒め言葉ばかりを聞くうちに、自分を誇大評価してしまう場合も考えられます。
褒めるより共感
子供の自己肯定感を向上するのに、褒めるより効果があるのが、共感を示すことです。
共感するとは子供の気持ちや考えに寄り添うことです。同意は同じ意思や意見を持つことですが、共感は必ずしも同意は必要ありません。
ただ「そうかそうか、そんな風に思ってるのね」とか「それは嫌な思いをしたね」と言った言葉がけをすることです。
プレイセラピーのテクを使って子供に共感を示す
子供に対する心理カウンセリングはお絵描きなどのプレイセラピーを行います。そのテクニックを使ってどのように共感を示すか、お母さんとゆかちゃん(5歳児)を例にしてやってみましょう。
お母さん「これはどこかな」
ゆかちゃん 「ディズニーランド」
お母さん「あぁ、ディズニーランドね。こういうお城があったわね」
ゆかちゃん「うん、白雪姫がいた」
お母さん「そうだ、いたわね。この人たちはだれ?」
ゆかちゃん「パパとママとまりちゃんとゆかちゃん」
お母さん「みんなで行ったものね。ゆかちゃんはこの時楽しかった?うれしかった?」
ゆかちゃん「うん、楽しかった。でもちょっと疲れてた」
お母さん「あら、楽しかったけど疲れてたのね。なんで疲れてたの」
ゆかちゃん「いっぱい並んだから」
お母さん「そうよね~ スモールワールドでもいっぱい並んだわね」
このように子供に対して共感を示すと、子供は無意識にお母さんは自分を分かってくれる存在「自分の味方だ!」と感じるようになります。
またお母さんが共感を示してくれることで、自分の存在価値も認識できるようになることから、健全な自己肯定感が育ちます。
★「そんな風に思ってたのね」、「それはひどい。悲しかったわね」という言葉がけで、子供の中にお母さんは味方という気持ちが育つ。それが子供の自己肯定感を育てます。
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