怒らないでやってみた
アメリカの事情を少しご存知の方なら、悪名高い #DMV(#DepartmentofMotorandVehicle ) のことをお聞きになったことあるかと思います。
これは日本の陸運局のように車両登録や運転免許の交付などを行う役所です。アメリカの官公庁の対応は、往々にして横柄で時間がかかるというのが一般的な見解です。しかしその中でもDMVは、誰もがうなずく質の低い #カスタマーサービス で有名です。
ローカルニュースの #ターコ・ファイルズ でも何度もそのことが話題なり、ずっと以前に売り払った車の登録料の督促状が来続け総額100万円近くなってしまい、何度掛け合っても解決されないなど、ウソのような話が日常茶飯事に起こるのです。
そんなわけで私も出来るだけDMVとは関わり合いにならないようしていたのですが、この時ばかりは避けることが出来ませんでした。
その車を中古でディーラーから買った時、ナンバー・プレートが前にしかついていないことに気づきました。#カリフォルニア州 ではナンバーは前後両方に付けることが義務付けられています。その際ディーラーがDMVに連絡しておきますと言っていたので、そのうち来るだろうと思っていました。
しかし2ヶ月たっても届かないのでディーラーに問い合わせたところ、DMVに申請するオーダーは出ていないというのです。つまりディーラーの最初の担当者が処理を忘れたということです。そこで仕方なく自分でDMVに直接申請しました。
すると2週間もしないうちにナンバーが届いて、へぇーDMVもそう悪くないじゃないと思いながら包みを開けてビックリです。私は前のナンバーのまま追加の一枚が届くと思いこんでいたら、全く違う新しいナンバー2枚が出てきました。
一台の車に二つ別のナンバーがついてしまった!
そしてその2日後、車の #登録更新 のお知らせがやはりDMVから届いたのですが、その通知には古いナンバーが記載されていました。私は古いナンバーと新しいナンバーは、当然記録上一緒になっているだろうと思い、すぐに登録料を振り込みました。
ところがDMVの記録には、古いナンバーのものと新しいナンバーのものと2つ別々のファイルが出来ていたのです。これを確認せずすぐに支払ってしまったのは、きめ細かいサービスに慣れている日本人がはまり易い落とし穴だったと、後になって気づきました。
車に付けるナンバーの他に永遠に変わらない #VINナンバー という車体番号もありますが、2つのナンバープレートのVINナンバーが同一であるのに気づくDMV職員はいないでしょう。
そして仕事が休みのある日、DMVに報告するため電話しました。
電話がかかってもすぐ係りの人は出てきません。ちょっとお待ちくださいのメッセージとバックグラウンド・ミュージックを聞きながら待つこと2時間‼ やっと話すことが出来ました。係員は話は分かった処理するので一週間後にまた電話して進捗状況を確かめてくれとのことでした。
その次の週ももちろん電話しました。そしてまた待つこと今度は2時間半、係員はあなたのリクエストは記録上あるけどまだ処理は終わっていないので、また一週間後に掛けてくれと言います。
やれやれと思いながらまた次の週も電話しました。毎週休みの日にDMVに電話するのを何度繰り返したでしょうか。その間家の近所のDMV出張所にも行き、ここでも何時間も待った挙句、なんとか解決出来ないかと孤軍奮闘しました。しかし窓口の係員は、情報管理は州都サクラメントにある本部でやっているから、ここではどうすることも出来ませんとの返事でした。
ここからまだ解決までにはずいぶん時間がかかったのですが、この処理を行っている際心に決めたことがありました。それはDMVに対して怒らない、DMVと実際話している時以外はこのとはなるべく考えないようすることでした。
もちろんDMVの体制が悪いのは分かっていますが、私がここで怒っても怒らなくても解決に近づくことはないと思いました。怒るのはエネルギーが要ります。そして疲れます。このことで貴重な休み中ずっといやな気持ちでいたくないと思いました。
これは気持ちのスイッチ切り替えの練習です。なかなか難しいのですがこれが出来るようになると、他のどのような場面でも使えるスキルです。カウンセリングでもたびたび話すことがらですが、クライアントさんと同じく私もまだまだ修行の身です。
こんなことを考えながらDMVと話し続けて3か月。一時は私もターコ・ファイルズにそのうち出演かと思ったこともありましたが、やっと2つのファイルは統合されて記録上私は一台の車の所有者になれました。やれやれ。
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