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思わぬ解決
その高齢の女性には、#大きな悩み がありました。つらくてつらくて、常にそのことが頭から離れません。その人の語るストーリーは、十分同情に値するものです。
でも所々つじつまが合わない点があり、家族に聞くと女性の作り話だというのです。
寝ても覚めてもその話題、興奮して攻撃的にもなるので、家族はたまったもんじゃありません。
#心理カウンセリング ではとにかく女性の話を否定しないで、とことん耳を傾けることに集中しました。だってその人にとってストーリーは本当のことで、大問題なんですから。毎週繰り返し「情けない、私の人生何だったんだ」と嘆きます。
こちらは「大変ですね。本当に辛い思いをされてますね」と返します。しかし毎週この繰り返しで、私自身自分のしていることは、一体役に立っているのかと、暗澹たる思いです。
このような状態が2年も続いたころ、ある日のセッションが終わって、今日はあまりその大問題について、話さなかったなと思いました。そしてそれ以降徐々に、そしてしまいにはすっかり話題は昔話や孫のかわいさ、旅行のことなどに変わっていきました。
そこである日「この頃あの事話しませんね」と言うと、その女性はにっこり満面の笑みを浮かべて「ええ、だって2年も話聞いてもらったんですから、すっかり気が済みましたよ」と言われました。その時私の肩からふぅーっと力が抜けました。
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