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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

学歴より大事なもの

更新日:2021年2月25日


クライアントのプロフィールは様々で、時には社会的に大成功している人や超高学歴の人、また経済的に大変恵まれている人など、普段あまりお目にかかれないような人と話をする機会もしばしばです。


「そんな人たちにも悩みがあるのか」と、思う人もいるかもしれません。しかし病気などと同様に、悩みごともまた貧富の差や社会的ステータスに関わりなく、多くの人が経験します。


ある国際的に活躍するビジネスマンは「英語ができないと思う気持ちを何とかしたい」と、相談にみえました。どのような仕事かとたずねると「ある知的資財の売買をいろいろな国の会社と行っている」というのです。


一般的に考えるとこのビジネスマンは、かなりの英語力があると思われます。


自分でも「別に語学力のせいで仕事上失敗したことはありません。でももっと語学力を駆使して商談できたら、もっとウィットに富んだ話を会話の中に盛り込めたら。そう思うと商談の前夜は眠れなくなるんです。」


この人の悩みは単に英語の個人レッスンを受けるだけでは、解決しないでしょう。なぜなら問題は英語力の欠如にあるのではなく、素晴らしい学歴や社会的ステータスにも関わらず、自己肯定感が低いことと完璧主義にありました。


レッスンを受ければ英語力はもっとつくかもしれません。しかしたとえ英語が上手くなっても、次にまた英語に代わる何かを見つけて、「寝れぬ夜」を過ごす可能性が高いと思われます。


問題はこのビジネスマンが、「夜寝れないほど悩む」問題を解決する「知恵」を持ち合わせていないことでした。


先月行われた東大の入学式で上野千鶴子さんは、現実社会は「正解のない問い」に満ちた世界であると述べました。


そしてたとえ困難に直面しても、それを乗り越える「知を身に着けるように」という強いメッセージを学生たちに送りました。


「知」を身に着けるためには、大学教育を超えて様々な経験をする必要があります。


すると視野が広がり物事を客観的に判断したり、また直感的に行動する力がついてきます。重要なのは「知」を「知識」として留めずに、「知恵」として活用することです。そしてこれは大学教育では教えてくれません。


「知恵」を働かせると、答えが絶対に出ないような出来事に直面した時、どのようにすればベストな方向に一歩踏み出せるか、自ら答えを見出せるようになるのです。


先に出た国際的に活躍するビジネスマンは「仕事の目的が商談の成立以外にないこと」、「英語は第二言語であること」、「真のビジネスにおいてはウィットに富んだ会話より誠実さが重んじられること」などを次第に受け入れていきました。すると以前より会議の前夜に眠れるようになりました。


それはこの男性が「答えのない質問」を、「知恵」により乗り越えたとても貴重な経験でした。


★「知恵」は大学卒業証書より重要

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